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効果的な就労支援の提案~働くことに困難を抱える人と働き手を必要としている人をつなぐために~③

「project J」は、「心理士とPSWの協働」、心理療法と社会保障制度の利用等を中心とした生活相談を実施することを肝にしていました。

メンタルヘルスや身体疾患のために就労困難な人は、金銭的な問題から様々なサービスにつながりにくいという弱点があります。経済力が受けられるサービス格差につながっており、一番サービスを必要としている人が利用できずに問題を複雑化させています。日本を元気にするためには、この人たちに回復してもらい、もう一度社会に出てもらうことが大切です。

「福祉は無料」というイメージが根強いですが、対人援助職にも自分たちの生活があります。無料で相談を引き受けるためには、どこからかお金を引っ張ってきて、自分たちの生活を安定させる必要があります。生活が安定しているから、安心して目の前のお困りになっている人の話を聞くことができるのです。

では、どこからお金をひっぱることがいいのか。政治家や福祉関係者、地元でご活躍している様々な人のところに足を運び、相談にのってもらいました。皆様、口をそろえていうのは、「それは個人がやる仕事ではなく、社会問題として行政がやるべきこと」。では、公費でこのような事業に補助金などは出ているのかを調べてみると、不登校やひきこもりの支援事業にかなりの金額が落ちていることがわかりました。そこで、ある方にこの計画について相談してみたところ、「それは絶対にやったほうがいい。市長に話ができるようにしてあげる」と言われ、市長室にいくことになったのでした。