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治療的アセスメント・アジアパシフィックセンターワークショップに参加してきました。


今年も、ACTAのワークショップに行くことができました。

今よりも若かったときは、「そのうちまた行けるだろうから」と行きたいものがあっても見送ることが多かったのですが、講師のFinn先生や紀子先生の年齢が上がっていくのを見ていると、「また行ける」ではなくて、「行ける時に行く」ことが大切だと思うようになりました。「今の当たり前は、いつ当たり前じゃなくなるかわからない」。そんなことをどこかで感じる年齢になってきたようです。

 

ACTAは2023年、24年は恥をテーマにワークショップを開催しています。今回はシリーズの3回目。自分の恥についてセルフアセスメントし、恥を癒すエクササイズも体験しました。私は2017年にもこの恥のワークショップに参加しましたが、今回は前回の内容を踏襲しつつ新たな知見を取り入れた充実の内容となっていました。何度参加しても得るものが大きいのがACTAのワークショップの特徴です。

 

さて、セラピスト自身が癒される体験をしたことがなく、クライアントにセラピーを提供する。これは果たしてよいことなのでしょうか。日本では、セラピストがカウンセリングを受ける経験はほとんどありません。スーパーヴィジョンというケースについての指導は受けても、自分自身の問題に触れることは本当に稀なことかもしれません。権力の構造として、弱者が強者に施しをお願いするように、心理療法においてもセラピスト-クライアント間には縦の関係が生まれがちです。残念なことに、「人を癒したい」と思う人の中には、「自分が優位であることを実感したい」と思う輩が一定数隠れていたりするものです。そういう心が自分の中にあるかもしれないことを忘れないようにした上で、クライアントが弱い立場にならないように、セラピスト自身が勘違いしないように全体を俯瞰しながらセラピーに臨みたい。

そんなことを考えたワークショップでした。